化粧品成分としてのプロテオグリカンは、もともと肌にある真皮のプロテオグリカンとまったく同じ効果や効能を発揮するわけではありません。しかしながら、化粧品成分としては保湿に優れた成分であることは間違いありません。そこで、今回は、化粧品成分としてのプロテオグリカンの効果についてご紹介します。
化粧品成分のプロテオグリカンの効果
プロテオグリカンは、ヒアルロン酸に劣らない高い保湿効果があり、ヒアルロン酸よりベタつきが少なく、サラッとしています。水溶性の成分なので化粧水と相性がよく、今では多くのプロテオグリカン配合化粧水が登場しています。
プロテオグリカンは、線維芽細胞を用いた実験で、Ⅰ型コラーゲンを増やす効果が認められています。コラーゲンは紫外線のダメージや加齢で減少していきますが、プロテオグリカンにより、コラーゲンの産生を促すことが確認されています。
さらに、プロテオグリカンは、線維芽細胞を用いた実験で、ヒアルロン酸を増やす効果も認められています。ヒアルロン酸も加齢で減少していきますが、プロテオグリカンにより、ヒアルロン酸の産生を促すことが確認されています。
これらの効果は、試験管の中の実験なので、そのまま肌の中で発揮されるわけではありませんが、プロテオグリカンのエイジングケア化粧品成分としての優れた特性といえます。
このコラーゲンとヒアルロン酸を増やす効果は、プロテオグリカンのEGF様作用によるものです。EGFとは、人が持っている53個のアミノ酸から成るたんぱく質で、細胞の成長促進をつかさどる因子です。
20代後半から急激に減少するといわれており、その結果、ターンオーバーが遅くなって、肌老化をもたらす一因になっています。EGF様作用というのは、あたかもEGFの様にはたらく作用ということで、プロテオグリカンが加齢で減ったEGFの肩代わりをすることで、肌のターンオーバーを促すなど、エイジングケア効果が期待できるというわけです。
また、プロテオグリカンは、コラーゲンやヒアルロン酸を生み出す力を兼ね備えているため、肌においてもクッションの役割を果たし、肌のハリや弾力を支えています。
ほかにも、抗炎症作用によって生活習慣病を予防や改善する効果、抗酸化作用によって肌老化を促進する活性酸素の発生を抑える効果が期待できます。
これらのはたらきや抗酸化作用と抗炎症作用の相乗効果によって、紫外線による肌ダメージを修復する効果も期待できる成分として期待されています。
プロテオグリカンの効果が期待できる肌悩み
プロテオグリカンの持つ高い保湿力によって、乾燥肌の対策、乾燥が原因の小じわ、ほうれい線、毛穴の黒ずみ、たるみ毛穴、くすみといった肌悩み、エイジングサインの予防効果が期待できます。
一方、表情筋の衰え、皮下脂肪の衰え、真皮の衰えが原因で目立つ顔のたるみまでは改善できません。プロテオグリカン配合の化粧品は、エイジングサインの予防美容的な手段であることやその限界を理解しておきましょう。
まとめ
プロテオグリカンは、その優れた保湿力やエイジングケアに期待ができそうなデータから、さまざまな化粧品やサプリメントに配合されています。美肌と健康を保つために、プロテオグリカン配合の化粧品やサプリメントを、早いうちから上手に取り入れましょう。