フィラグリンは肌のバリア機能に大切な成分!
みなさんは、フィラグリンって聞いたことがありますか?
フィラグリンは表皮の角層の細胞をつくるたんぱく質。分解されると天然保湿因子(NMF)となって、肌のバリア機能を守ります。
フィラグリンは、肌のターンオーバーの過程を通してバリア機能を守る大切な成分です。
これが少ないとバリア機能が低下し、乾燥肌ほか肌悩みや皮膚の病気の原因となります。実は、アトピー性皮膚炎の患者さんでは遺伝的にフィラグリンが少ないことが多いのです。
この記事では、ナールスエイジングケアアカデミーの「フィラグリンは肌のバリア機能に大切!天然保湿因子の源」の記事を参考に、フィラグリンとは何か、その役割やはたらきについてご紹介します。
フィラグリンのはたらきとは?
あまり知られていない皮膚に関することばですが、フィラグリンは肌のバリア機能にとても深い関係があります。
フィラグリンとは、表皮にあるたんぱく質です。
ターンオーバーの過程で、表皮の顆粒層の顆粒細胞のなかに存在するガラス質状の顆粒であるケアトヒアリン顆粒の中にプロフィラグリンが生まれます。
プロフィラグリンは、顆粒層から角質層へ移動すると酵素によって分解されフィラグリンになります。
フィラグリンは、表皮の角質層の骨格となるたんぱく質「ケラチン繊維」を凝集させることで、健やかで丈夫な保湿力のある角質層をつくるはたらきの中心的役割を担っています。
また、その過程で「ブレオマイシン水解酵素(BH)」などの酵素の力を借りてアミノ酸に分解されます。
そして、それが天然保湿因子(NMF)の主成分になります。
フィラグリンが少なかったり、異常があるとバリア機能が低下します。
さらに、最近では、角質細胞の面積や形状と顔のたるみやシワなどの肌老化と関係していることがわかってきました。
アトピー性皮膚炎との関係は?
アトピー性皮膚炎は、もともと何らかのアレルゲンによる感作があって、皮膚にアレルギーが起こり、皮膚炎を発症するものと考えられていました。
アレルギーは免疫と深いかかわりがあるため、治療のアプローチは免疫に対する対策が主流でした。
一方、アトピー性皮膚炎と皮膚がカサカサの鱗状になる尋常性魚鱗癬がしばしば合併することはよく知られていました。
尋常性魚鱗癬は、フィラグリン遺伝子異常による角化異常が原因であることから、アトピー性皮膚炎にもフィラグリン遺伝子異常が関与している可能性があると考えられていました。
欧米や日本でアトピー性皮膚炎患者さんにフィラグリン遺伝子の異常があるかどうかの調査研究が進み、その結果、欧米では40%〜半数、日本人では約20〜30%の方に、フィラグリン遺伝子の異常があることがわかったのです。
つまり、予想通り、フィラグリンの遺伝子異常がアトピー性皮膚炎に関与していることがわかったのです。
フィラグリンを増やす化粧品成分
フィラグリンを増やす化粧品成分がいくつか研究で報告されています。
インチンコウエキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、サガラメエキス、デフェリフェリクリシンなどがあります。
1)インチンコウエキスとカワラヨモギ花エキス
佐藤製薬株式会社の研究で、インチンコウエキスがフィラグリン遺伝子発現促進作用を持つことが発表されています。
インチンコウエキスとは、キク科植物であるカワラヨモギの成熟した頭花を乾燥させて得られる生薬です。
似た化粧品成分として、カワラヨモギ花エキスがあります。
2)サガラメエキスとマンダリンオレンジ果皮エキス
ピジョン株式会社の研究で、サガラメエキスおよびマンダリンオレンジ果皮エキスの混合物を配合したスキンケア製品において、フィラグリン遺伝子の発現促進効果が認められました。
マンダリンオレンジ果皮エキスは、フィラグリン分解酵素の産生促進作用によって、天然保湿因子(NMF)を増やす作用があることが知られています。
3)デフェリフェリクリシン
月桂冠総合研究所は、日本酒、酒粕などに含まれるペプチドであるデフェリフェリクリシンが、フィラグリンを増やすことを発見しました。
これら以外でも、脂溶性ビタミンB6の誘導体トリスヘキシルデカン酸ピリドキシンにもフィラグリンを増やすはたらきがあります。
まとめ
ナールスエイジングケアアカデミーの「フィラグリンは肌のバリア機能に大切!天然保湿因子の源」の記事を参考にして、フィラグリンとは何か、そのはたらきとともに、肌悩みや皮膚の病気との関連をご紹介しました。
フィラグリンは、肌のターンオーバーの過程を通してバリア機能を守る大切な成分で、天然保湿因子(NMF)の源です。
この記事を参考に、フィラグリンについて理解を深め、健やかな美肌のために活かしてくださいね。